音楽はおよそなんでも聴きます。最近(2023年6月以降)は特に女性の歌です。わたしが男性であるからとの理由もありますが、女性の声の良さに浸ることが多くなりました。女声でもポップやプログレッシブロックは別の機会に取り上げたいですが、今回はクラシカルの世界に入ってみます。女声であればまずはアリアです。しかし子供の頃からの印象は、不自然に力んでいて言葉も分からず、そのくせクラシックが好きなのですという人たちの選良民意識を勝手に読み取り、アリアは好かない、というものでした。
Maria CALLASは子供のころから名前は聞いていましたが、それに留まりました。しかし、月次課金音楽配信サービスの手軽さのおかげで彼女の多くの録音を聴きました。彼女のベスト盤を電車の中で聴き始めた時は、有名な歌い手の歴史的録音だなぁ、と理屈に偏った感想でした。ところが、(1)「ノルマ(ベッリーニ作の歌劇)」中の「清き女神」(Casta Diva, 1st. Act, Norma, Vincenzo BELLINI)になった時に、これはすごいと感じました。語彙不足で残念です。そして、(2)「サムソンとデリラ(サン=サーンス作の歌劇)」の中の「私の心はあなたの声に開かれる」(Mon coeur s’ouvre à ta voix ”Softly awakes my heart”, 2nd. Act, Samson et Dalila, Charles-Camille SAINT-SAENS)、これまたすごいと感じました。 音楽配信サービスへのリンクを貼っても無理があるはずなので(1)のYouTube動画URLを貼ります。https://www.youtube.com/watch?v=s-TwMfgaDC8 1958年のパリでのライブとのこと。レコード会社の正式ページで公開されているものなのでコピーライト的観点からの問題はないと思うところですが、誤りであればご指摘ください。改めます。
客席のささやき声が聞こえます。艶があり加えてすっきりした色気ある声でCALLASが伝えてくる感情に心を奪われます。これを歌う歌手は多く、評論家筋の評価が高い演奏も多いですが、力んでいないところが好きです。これ以外にも多くのCALLASの名演をYouTubeで視聴できるのは言うまでもないです。
ロシア出身で今はウイーンを拠点にして活動している、Anna NETREBKOの歌声は澄んだ空気、木曽駒ケ岳に上る途中の中岳から見える晴れた日の眺めです(このWEBサイトの表紙のスライドのひとつです)。ロシア革命で米国に移住したラフマニノフ(RACHMANINOFF)の歌曲「ここはすばらしい」(Zdes Khorosho)を聴きましたが、若い頃のネトレプコだと思います。若い男女(ロシア革命前ラフマニノフが結婚前に婚約者を思って作ったということです)のわくわくする、それでいて静かな感情が迫ってきます。上と同じ理由でYouTube動画のURLを貼ります。https://www.youtube.com/watch?v=z-pZk-nCOwE これは動画中字幕の訳語から推察するとスペイン語圏(チリ?)の個人が作ったもののようです。スライドショーである点は問題なさそうですが、音源の使用はコピーライトの観点から問題あるのかないのか、YouTubeの世界で長いこと生き残っているので問題ないのかもしれないがどうだろうか、広告が挿入される余地がありそうなのでその広告収入が音源の著作権者にYouTubeの賢い仕組みを通じて流れるのか。等々曖昧さが残ります。問題あるいはその可能性が大きすぎれば是非ご指摘ください。改めます。これ以外にも多くのネトレプコの名演をYouTubeで視聴できるのは言うまでもないです。
オーストラリアのYvonne KENNYは今(2023年11月)音楽配信サービスで私がいちばん聴いている歌手です。聴いている曲がひとつもうまいことYouTubeでみつかりません。音楽配信サービスを購入している方はぜひ聴いてみてください。ベスト盤もストリーミングで聴けます。細く歌う時も朗々と歌う時も艶と色気のある力みない美しい声で感情を伝えてくる感じがします。